周産期遺伝外来

当院における出生前検査について

最近、耳にすることも多い「出生前検査」とは胎児に生まれつき内臓などの形に異常(変化)がないか、染色体異常(疾患)をもっていないかなどを、お母さんのおなかの中にいる間に調べる検査です。あらかじめ知っておくことで、生まれた後の治療やこころの準備ができる場合がある一方で、診断がつくことによって悩みが増える場合もあります。

出生前検査には、エコー検査(超音波検査)で脳や心臓などの臓器の形の異常(変化)を診断する形態学的検査と、染色体異常(疾患)の診断やリスクを判定する遺伝学的検査があります。遺伝学的検査は妊婦健診のように全員に受けていただく検査ではなく、希望した人だけが受ける検査です。そのため、あらかじめ検査を受けることの意味、その方法と合併症、検査でわかることわからないこと、について十分理解していただくことが重要です。

遺伝学検査を希望される方は、「周産期遺伝外来」を受診していただく必要があります。希望される方は、妊娠10週0日から妊娠14週6日の間に予約をお願いします。なお、受診の際は、原則、ご夫婦2人での受診をお願いします。

当院で行うことのできる遺伝学的検査(出生前染色体検査)

非確定的診断

あくまで「リスクを判定する」ものであり、病気の診断ではありません。 これらの検査で陽性になった場合は確定的診断を受けることをお勧めしています。

クアトロ検査

妊娠 15 ー17 週に行う検査です。 お母さんの採血を行い、血液中の 4 つの項目を測定し、赤ちゃんの 21 トリソミ ー(ダウン症候群)、18 トリソミ ー(エドワ ーズ症候群)、開放性神経管障害(二分脊椎や無脳症)の確率を計算します。基準値よりも高い場合には陽性、低い場合には陰性と報告されます。

NIPT

妊娠10-16週に行う検査です。お母さんの採血を行い、その中に混じっている赤ちゃんのDNA断片を分析して21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の染色体疾患を調べる検査です。陽性(高リスク)、陰性(低リスク)、判定保留と報告されます。

確定的検査
羊水検査

妊娠 16 週以降で行う検査です。エコーで子宮内を観察しながら、お母さんのお腹の上から針を刺し、羊水を20mlほど採取します。羊水中の赤ちゃんの細胞を培養し、染色体を分析します。お腹に針を刺す検査になりますので流産、破水、出血、腹痛、子宮内感染、早産などの合併症が挙げられ、0.2-0.3%で最終的に流産に至ると報告されています。